『痕跡』…
御来場誠に有難う御座いました。
常にインスピレーションが降りてくる状態を保つなどということは、俳優であったとしてもなかなかに難しいことではありますが、10/9から10/29までの"詩に挑んだ"期間は正にその状態で、死に挑むような3週間でありました。
身体も精神も、というより全ての細胞が新たに生まれ変わった感覚と、頭の中の脳みそと全身を繋ぐ回路がインスピレーションという電気信号の往復で焼き切れ、焦げ臭い香りが漂っていたように思います。
演劇舞台の創造における"感覚"というものは本当に希薄なもので、掴んだその瞬間から煙のように消え始めるもので、掴み続けるということがあまりにも難しいものではあるのですが、3週間繰り返した"詩"に対してのアプローチと、死物狂いで受けたルティ・カネルさんの演出と、詩に向かっているはずなのに何故だか死に向かっている気のする冒険を共にした、石井くに子さん、渡辺修さん、スガサワコウさん、コトウロレナさん、中村あさきさんとのクリエイションを通しての交流や、死物狂いで死に向かいながら詩と向き合う冒険は至極真っ当に"生きている証"として確実に私の中に存在していてめちゃくちゃ不思議な"感覚"です。
終演し、1日が経ち、本日はオペラ(来夏上演予定)の演出助手としてスタジオ入り。
"感覚"は、まだ臍の下辺りから全身に這い回っている。いつ消えるか分からないけれど、この感覚があるうちに、詩と演劇を繋げた演出のように、今ある感覚を新たな感覚へと繋げていこうと思います。

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